守中章子第1歌集『一花衣』批評会のお知らせ

守中章子第1歌集『一花衣』批評会を開催いたします。僕もパネリストとして出演しますので、多くの方々のご出席をお願いしたいところです。

 爪を切る音の鳴る間に呼びかけるそこにゐますかふたりゐますか
 口中に酸と甘露のひろがりて陽は弓手よりしづかに射しぬ
 いかにして悲を忘るるやと問はるれば端座したまま喉(のみど)しめりぬ
 底なしの悦びですね階段に坐りて桃をこのやうに剝く

「作者は、激情によって歌の技法をなげうってなどしていない。どの歌も、韻律も文体も、きりりとひきしまっていて、読者をさまざまな思いに、特に言葉の美の世界へもいざなうものだ」(岡井隆)。2013年度未来年間賞歌人による、言葉への讃歌339首。

明眸社「タナトスの果ての仄あかり」
http://meibousha.com/archives/427/
「打ち砕かれた心がそのまま提示されていて、堪えうるぎりぎりの危うさとその危うさを自ら引き受けている実存とを感じた」

岩尾淳子「眠らない島」
http://blogs.yahoo.co.jp/picojunkomist/12253977.html
「このような言語意識の変革は当然、自意識の刷新を同時に起こすのであろう。ランボーの言葉を借りれば「私は一人の他者である」という態度である」

藤島秀憲「想像と体験と」
http://www.sunagoya.com/jihyo/?p=578
「歌集が静謐であるのは、ひとつひとつの歌に逝ってしまった者への祈りが込められているからだろう」

歌集購入はこちらから
http://www.amazon.co.jp/dp/478373433X
http://www.shichosha.co.jp/newrelease/item_1236.html

パネルには詩人の瀬尾育生さんが参加されます。瀬尾さんは詩集『Deep purple』、『アンユナイテッド・ネイションズ』などで知られますが、何と言っても戦時詩研究の名著『戦争詩論』は不朽の名作です。現代詩の先鋭的見地から短歌が批評される、貴重な機会となるでしょう。

歌集をお持ちならより分かりやすいですが、歌集がなくとも、当日、レジュメが配布されるので参加に問題はないかと思います。とくに学生の方は、かなりリーズナブルなのでお勧めです(笑

http://www.shichosha.co.jp/event/item_1359.html
 ↑思潮社のサイトです。こちらから参加申し込みができます。


【日時】 2015年3月28日(土) 13:30〜17:00(開場13:00)

【会場】 日本出版クラブ会館3階「鳳凰の間」
      東京都新宿区袋町6 TEL 03(3267)6111

【パネリスト】 瀬尾育生(詩人)、東直子(かばん)、黒瀬珂瀾(未来)、司会・田中槐(未来)

【会費】 批評会 2,000円(学生 1,000円)
     親睦会 3,000円(学生 1,000円)

【親睦会】 17:15〜19:30 同会館3階「パピロス」

【発起人】 岡井隆、佐伯裕子、池田はるみ、大辻隆弘、小田久郎(思潮社)、未来短歌会有志