「現代短歌新聞」2015年10月号

「現代短歌新聞」2015年10月号に佐波洋子歌集『鳥の風景』(現代短歌社・第一歌集文庫)書評文「われの埋立地へ」を書きました。

  一対の女男(めお)にて睡る闇あるにねむりの水際互みに視ざり
  まだわれを庇う力ある父の腕いちじくの枝運び去りたり
  丘陵をもたざるわれの埋立地地平ひとしく夕昏は来ぬ

 父母、夫、子それぞれの位置から見て自分はいかなる存在か。いうなれば佐波は家族を描くことで逆説的に自分を描いている。それは日本の高度成長期を生きた「一人の女の位置」を描くことでもある。

「現代短歌新聞」および、佐波洋子『鳥の風景』(720円)のお求めは、現代短歌社のサイトからご注文ください。
http://gendaitankasha.com/