「現代短歌新聞」2015年10月号

「現代短歌新聞」2015年10月号に佐波洋子歌集『鳥の風景』(現代短歌社・第一歌集文庫)書評文「われの埋立地へ」を書きました。

  一対の女男(めお)にて睡る闇あるにねむりの水際互みに視ざり
  まだわれを庇う力ある父の腕いちじくの枝運び去りたり
  丘陵をもたざるわれの埋立地地平ひとしく夕昏は来ぬ

 父母、夫、子それぞれの位置から見て自分はいかなる存在か。いうなれば佐波は家族を描くことで逆説的に自分を描いている。それは日本の高度成長期を生きた「一人の女の位置」を描くことでもある。

「現代短歌新聞」および、佐波洋子『鳥の風景』(720円)のお求めは、現代短歌社のサイトからご注文ください。
http://gendaitankasha.com/

「阪大短歌」4号のお知らせ

大阪大学短歌会の機関誌「阪大短歌」第4号が刊行されました。清新な作品がたくさん並んでいます。
http://handaitanka.web.fc2.com/

 絵はがきは季節の鱗 群青の鱗いちまい部屋に舞いこむ   池松果実
 吸いさしを風葬にして青年が街にくゆらすピースのけむり  鈴木加成太
 神様は辻褄合わせがうまいからそろそろ虹でも出る頃だろう ななみーぬ
 PLAYMATESいだいてなおもネクタイを外さずPLAYBOYのロゴは 北虎叡人
 言海を海だと思うひとが居て心の中に工場が建つ      山根花帆
 寄り添って西日の入る部屋にいていつしかそこが水面になる 山田誠久
 かなしみのように積もっていく雪のほんのすこしを手であたためる なみたま

作品の他にも「匿名短歌交換日記」や吟行記録など読み物も豊富で面白いです。120ページで500円。

黒瀬は大学OBとして短歌作品「櫂のあること」11首を寄稿しました。コメントで何を勘違いしたか入学したのは20年以上も前、と大嘘を書きました。すみません。19年前です。田中ましろさんとご一緒しています。

購読希望者は https://twitter.com/handai_tanka か handai.tanka@gmail.com で予約を受け付けているとのこと。また、大阪中崎町の葉ね文庫(http://hanebunko.com/)と阪大生協豊中店では実際に手に取ることができるそうです。

服部真里子第一歌集『行け広野へと』批評会のご案内

このたび、我々の歌友である服部真里子のさん第一歌集『行け広野へと』(本阿弥書店刊)の批評会を開催いたします。みなさまのご参加をお待ちしております(未来短歌会有志)。

会の前半は壇上のパネリストによる歌集『行け広野へと』に関するさまざまな考察や批評の発表、そしてパネリストによる討論がおこなわれます。後半では会場にお集まりの皆様からご意見をお伺いしつつ、いろんな角度で歌集の読みを深めていきます。「現代短歌」を巡って色々な思考や発見が飛び交う、スリリングな一日になることでしょう。

批評会の後は懇親会です。著者、パネリストと一緒に楽しい歓談のひとときを!

お申し込みはこちらのフォームからお願いします! → http://goo.gl/forms/QFfM0YGpA0
席に限りがありますので、お早めのお申し込みをお勧めします!

なお、歌集をお持ちでない方は、
 本阿弥書店のサイト http://homepage3.nifty.com/honamisyoten/tyumon.htm
 三月書房のサイト  http://web.kyoto-inet.or.jp/people/sangatu/tanka/tanka.htm
よりご注文いただけます。もしくは、各地の大型書店に在庫があるかもしれません。お問い合わせを。

◆◆◆ 批評会 ◆◆◆

 ●日時:2015年9月20日(日) 13:15〜17:00 (開場:13:00)
 ●会場:中野サンプラザ研修室 10
      http://www.sunplaza.jp/access/
 ●パネリスト: 水原紫苑、染野太朗(まひる野・太朗)、吉田隼人
 ●司会:     田中槐(未来)

 ●プログラム: 第一部 パネルディスカッション
         第二部 会場発言+パネル発言

◆◆◆ 懇親会 ◆◆◆ 

 ●日時:2015年9月20日(日) 17:30〜19:30 
 ●会場: BAR CONGRESSO(バール・コングレッソ)
      T E L :03-3319-8181
      住 所:東京都中野区中野4-10-2 中野セントラルパーク サウス 2F
      アクセス:JR 中野駅北口より徒歩5 分
        http://www.barcongresso.jp/access.html

◆会費 

  ●一般  批評会 2,000円/懇親会 4,000円
  ●学生  批評会 1,000円/懇親会 3,000円


※会費に関しては、批評会入場時に合わせて申し受けます。
※今回、ネットでのご案内を主としております。何卒ご了承くださいませ。

  メール問い合わせ先 ikekouyaheto@gmail.com  (未来短歌会/飯田彩乃)

「弦」32号(2015年夏)、インタビュー掲載

弦短歌会発行の歌誌「弦」の32号(2015年夏)が刊行されました。
http://blog.goo.ne.jp/gen_tankakai/e/03d011ef5fae40f7017d91b91e80487d

弦インタビュー「黒瀬珂瀾 未来につながる歌を紡ぐ」が掲載されています。南砺市の安居寺と富田家住宅での写真撮影、インタビュー、一挙公開です。早稲田短歌でのインタビューでは話さなかった少年期の話や、現代短歌への向き合い方など、いろいろお話しました。写真も大変素晴らしく、四歳児さん曰く、『「しゃしんの」パパはかっこいいのにねえ』とのことです。画像マジックです。

さらに、招待作品として坂井修一「足軽」、村上敬明「まだみえぬものを」、高島裕「きさらぎの道」、大森静佳「敵だとしても」、田丸まひる「空がほつれる」が掲載されています。ぜひお読みいただければ幸いです。

http://homepage2.nifty.com/iku-a/gen_tankakai/form.html
こちらのフォームからご注文いただけます。

春野りりん歌集『ここからが空』刊行のお知らせ

「短歌人」所属の春野りりんさんの第一歌集『ここからが空』(本阿弥書店)が刊行されました。

黒瀬は栞文「行き交う時間の歌」を寄稿しています。林望さん、三井ゆきさんとご一緒しています。

 ガウディの仰ぎし空よ骨盤に背骨つみあげわれをこしらふ
 ムスカリの新芽のひかり仙骨を大地にますぐ保ちあゆまむ
 子を抱きて夕映えの富士指させばみどりごはわが指先を見る
 豆ごはんを碗によそへり膨れゆく宇宙のゆくすゑなど案じつつ
 幼子と白きみぎはに降り立てば沖へ沖へと子は行きたがる

さまざまな命の姿と、それぞれの時間感覚が不思議と入り交じる、魅力的な一冊です。ご購読をお勧めします。

ご希望の方は本阿弥書店にご注文ください。→ http://homepage3.nifty.com/honamisyoten/tyumon.htm

角川「短歌」2015年8月号

角川「短歌」2015年8月号が発売されました。特集は「没後五年 河野裕子の魅力 全歌集解説」。まさに保存版大特集です。黒瀬は第八歌集『家』についての解説文「暗がりの〈家〉の命」を寄稿しました。お読みいただければ幸いです。

本号はさらに特別企画「戦争の肉声」、永井祐による岩田正インタビューという貴重な記事も収録。ぜひともご購読をお勧めします。

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「現代短歌」2015年8月号

現在発売中の「現代短歌」2015年8月号(現代短歌社)の連載企画「九州の歌人たち」の第24回「森園天涙」を担当しました。

森園天涙30首選と略歴、そして天涙の次男である森園俊氏へのインタビューが掲載されています。

大変でしたが面白く、有益な記事になったと思います。お読みいただければ幸いです。

現代短歌社のサイトは → http://gendaitankasha.com/magazine.php?page=3

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